横浜市戸塚区にある築34年のファミリータイプのマンション(56戸)も相続放棄に悩んでいます。
昨年10月、独り住まいの86歳の女性が死亡しました。
子どもはおらず、相続人となる親族13人全員の放棄の意思を確認するまで10カ月かかりました。

女性に滞納はありませんでしたが、死亡後は、管理費と修繕積立金合わせて毎月2万3千円の滞納が積み上がっていきます。

女性は住宅を担保に借金していたため、部屋が売れても、予納金と借金返済で相殺され、滞納分は購入者に請求せざるを得ない状況です。

管理組合は潤沢な積立金を持ち、すぐに大きな問題にはならないと言いますが、理事長(83)は
「次の所有者が決まるまで窓を開けて風を通すこともできない。劣化の原因となり、マンション全体の資産価値が落ちるのが心配だ」と言います。

他の高齢世帯からも「子どもは相続放棄すると思う」との声を聞いており、今後「放棄物件」が増えていかないか心配しています。

https://www.asahi.com/articles/ASK9V4J94K9VUUPI002.html