“コミケ雲”は発生する? 気象予報士・依田司が語る猛暑対策「コミケ雨が降る可能性も…」
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世界最大規模の同人誌即売会『コミックマーケット94』(C94)が、いよいよ10日から3日間、開催される。夏のコミケといえば、その暑さによって“コミケ雲”なる現象が話題に上る。
来場者の熱気や水分が原因のコミケ雲だが、気象学的な観点ではどう位置づけられるのか?
『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)でおなじみ、2018年『好きなお天気キャスターランキング』(ORICON NEWS)で1位にもなった気象予報士・依田司が、その真相、そして今年の暑さ対策について語った。
夏のコミケで、ある種の伝説として語られる“コミケ雲”。屋内会場で来場者が発した水分・水蒸気が、空調により天井付近で冷却され、白い霧のようなものが発生する…という現象だ。気象のプロである依田は、これをどう見るのだろうか?

 「“コミケ雲”と聞いたときに、“環八雲”と同じような衝撃を覚えました(笑)。“環八雲”は、都内の環状八号線上空に沿うようにできる雲で、大気汚染を象徴するものです。
車の排気ガスから出る微細な粉塵が核となり、雲粒を作ります。一方、“コミケ雲”も会場内の大気汚染でできた雲と言ってよさそうです。
来場者の熱気と大量の汗が空気中に水蒸気として溶け込み、エアコンの冷風に冷やされてできたものなのですから。いずれにしても、どちらの雲も私は遠慮しておきます(笑)」

 「ちなみに、気象学的にみると、雲と霧(靄)の違いは地面に接しているかどうかですから、会場内の天井付近に漂っているということなら“雲”で間違いありません。
発生する過程も自然界にできる雲と同じ理由です。また、発達すると『室内に(コミケ)入道雲ができる』、『コミケ雲から雨が降ってくる』という伝説があるようですが、これは漫画的な発想であり、実際にはあり得ません。
雨を降らせるには、コミケ雲の厚さが数千メートルなければならないからです。ただし! 天井部にある格子状のパイプに水滴がつき、それがぽたぽた落ちてくれば、コミケ雨と認定してもいいかもしれませんね。
来場者皆さんの汗の結晶の雨ですから、私は絶対に濡れたくありませんが(笑)」