土用の丑(うし)の日(20日)を控え、記録的な不漁が続く国産ウナギが食べられるのか、と心配するのが消費者心理。
でも、宮崎の養鰻(ようまん)漁業者に言わせると、「実はウナギが売れずに余っている」らしい。

 生産量全国3位の宮崎県内では、今年取れた稚魚が成長し、皮が薄く身がふっくらとした半年物「新仔(しんこ)ウナギ」の出荷が6月末、全国に先駆けて始まった。
当初は「需要に対して出荷数が足りなくなる」と見込まれていた。
県水産政策課のまとめでは、今期(2017年12月11日〜18年3月25日)のシラスウナギの漁獲量は99・4キロ。
前期(16年11月24日〜17年3月8日)の412キロに比べ、4分の1に減ったからだ。

 でも、ふたを開けると、国産が売れずにだぶついているようだ。養殖業者の一人は「前年の1割程度の出荷量にもかかわらず、買い手がつかずに、多くのウナギが余る異常事態だ」と話す。

 県養鰻漁業協同組合は、稚魚の不漁によって値段が高騰した国内産の需要が、値段の安い外国産に移ったためだ、と分析している。
数年前から、老舗のかば焼き店を含む外食店の多くが、仕入れを外国産に切り替え始めていた。
今年になってその傾向がより顕著になり、輸入物が市場の9割近くを占めるようになったという。

朝日新聞社

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