地元のFランを卒業し、営業マンになったが、人間関係に息苦しさを感じ、30歳で退職。専門学校でITなどの資格を取り、SEに転職した。だが、ハードワークで半年も続かなかった。

 これから先、どうなるんだろう――。年をとった自分を想像してみた。家族も、趣味もなく、経済的にも苦しい姿しか浮かび上がらなかった。

 そんな自分にならないためには? 答えは、ニートだった。実家に籠って、自分の居場所を持ちたい。33歳の時、コンビニでバイトした。工場派遣のバイトにも参加した。

 だが、「苦難」の連続だった。自分がいいと思っていた職場で、顔見知りになった奴らは正社員になった。正社員を意識して仕事を始めていた上司から契約延長のキャンセルが続き、
文句を言おうと思ったら「最初から使えなかった」と言われた。

 「結果」が出ない。派遣切りを考えると、「時間切れ」が迫っているように感じ、焦りばかりが大きくなった。再び営業マンとして働き始めた職場でのストレスも重なり、不眠症や発疹が治らなくなった。

 「もう二度と『就活』はしない」。4年前、無理に仕事を探すのをやめた。「いつか幸せになりたい」ではなく、いま幸せでいることを心がけるようにした。
ネットゲーやアニメ観賞を始め、趣味の仲間が増えた。30代の苦しさがうそのように、「人生を心から楽しめるようになった」。

 もう就職は無理だと思っている。「やれるだけのことはやったので後悔はない」。一方で、近所の家族持ち同級生みると、「私にはできなかった経験」と感じ、少し胸が痛い。(俺たち)