米軍の兵士や水兵、パイロットたちは、いざ戦争となれば、自分たちが目を見張るような技術的優位に立っていることにずっと慣れ親しんできた。しかし最近、それは急速に失われつつある。
米軍司令官は現在、南シナ海や東欧、ひいては朝鮮半島において、圧倒的な火力と最先端テクノロジーを展開する能力のある敵との戦争が起きる可能性を検証している。
とりわけ、ロシアと中国との対立は予想よりも急速にエスカレートしており、武力衝突の初期段階で中ロが米軍をしのぐ戦力を自国周辺で展開する可能性は、いまや現実のものとなっている。

米国防総省は、中国とロシアが対艦・対空ミサイルシステムを急速に拡散していることにますます懸念を強めており、米軍事立案者を不慣れな立場に追いやっている。
米軍が圧倒的な優位性なく戦闘に突入したのは、1943年に北アフリカでナチスドイツ軍と戦った時が最後だ。

一方で、ハイブリッド戦や情報戦が国際紛争のルールを再構築しつつあるが、西側はまだその変化に本格的に対応できていない。そして、新たなテクノロジーがそのルールを常により複雑にしている。
米国防総省は2014年、「第3の相殺戦略」を発表し、軍事的優位を保つため、自国の優れたテクノロジーを利用する可能性を示唆した。
だが、サイバー戦やドローン、人工知能(AI)といった分野における新たな進歩は、米国の敵にとっても同様にプラスとなる。彼らの方が新技術を実戦で試すことに前向きであるからなおさらだ。

ほぼ毎週のように新たな展開がある。
ドイツ当局者は今月、同国の送電網に対する一連のサイバー攻撃を行ったとしてロシアを非難。米国も同様の主張をしていた。
一方、CNNが軍関係筋の話として伝えたところによると、領有権問題の渦中にある東シナ海の海域上空を飛行する米航空機を狙った一連のレーザー照射は、中国が背後にいるとみられているという。
こうした出来事が続発しているが、ロシアも中国もそれぞれ関与を否定している。

以下ソース
https://jp.reuters.com/article/column-us-army-tech-edge-idJPKBN1JY069