台風8号の接近で沖縄県の宮古・八重山地域は9日、農家や漁業者らが台風対策に追われた。各地のスーパーでは棚からインスタントラーメンや乾電池がなくなり、食料品を中心に商品が品薄になった。
宮古空港では旅行日程を前倒しして帰る観光客が列をつくり混雑した。

マンゴー出荷が最盛期の宮古島市では、農家が防風ネットの設置に汗を流した。
市内でも規模が大きい農業生産法人「ユートピアファーム宮古島」の上地登さん(60)は「収穫シーズン中にこんなに大きな台風が来るのは経験がない。対策はしたが、後は神様に祈るしかない」と気を引き締めた。

石垣市の漁港では、漁業者が漁船を陸揚げし、ロープで固定した。50年余り漁師を続ける伝統もぐり漁の具志堅清徳さん(71)は「今度の台風は危ない。まともに来るし、かなり被害が出るんじゃないかな」と汗を拭った。

モズク漁から戻り、船をロープで固定していた高宮城勝夫さん(52)は「海水温が高いし、時期的には台風が来るのはいいが、大き過ぎる。厳重に対策しないと安心して眠れないね」と険しい表情をみせた。

スーパーやホームセンターは、食料品や乾電池、非常用の発電機などを買い込む人が詰め掛けた。
宮古島市内のスーパーにインスタントラーメンを買いに訪れた下地くに子さん(65)は「買うのが何もない。どうしようか」と困惑した。

宮古空港で荷物を預けるカウンターの列に並んでいた伊藤辰徳さん(34)=東京都=は「4泊5日の予定だったけれど1日早く帰る。次にまた来たい」と残念がった。

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/281298
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