〈ごく一部抜粋〉

 最近、若者世代の右傾化が指摘されることが多いが、そこにも同様の心理的背景が読み取れる。

 まずは、このような価値観を疑って、教育を見直し、自分自身を一人の人間としてありのままに受け止め、ありのままに愛することを教えるのが先決だろう。
それはまた、自分以外の人々もありのままに尊重し、愛する態度にもつながるはずである。

再びフロムを引くと、彼が『自由からの逃走』の後に著した『人間における自由』4
のなかで、重要なことは自分自身を呼び戻す「良心」であると述べ、社会において、あるいは心理学において重要な課題は倫理の問題であることを強調している。
 フロムはまた、倫理または良心には、「権威主義的倫理」と「人道主義的倫理」があり、両者は似て非なるものだと述べる。

 「権威主義的倫理」とは、宗教、国家、権威者、世論などの外的権威を内面化したもので、人々はその掟に服従し、その掟を守ることが善となる。

 それは権威への不服従の罰や恐怖と背中合わせの倫理であり、またそれに従わない者たちへの蔑視や攻撃を伴う。

 ネトウヨと呼ばれる人々のネット上での振る舞いは典型的な例である。


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https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180707-00056456-gendaibiz-bus_all&;p=4