オウム化している日本、自覚ないままの死刑

オウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚らの死刑が執行された。事件はなぜ起きたのか。
その後の日本社会を変えたのか。社会学者の宮台真司さん(59)に聞いた。

オウム真理教の事件は、今の首相官邸や国会、そして霞が関に見られる「エリ―ト」の迷走の出発点だったと
言えるでしょう。事件を起こした教団幹部の多くは学歴が高い「エリ―ト」。彼らの多くは、社会が上昇機運に
包まれた高度経済成長期に生まれ、その機運が残る社会で育った世代です。

子どものころに抱いていた「輝かしさ」を経験できないことに不全感を抱えていた若者は、何もオウムに集まった
人たちの特徴ではありません。世代的に共有されたものでした。僕自身1980年代半ば、「自己啓発セミナー」の
現場で、このような感受性を共有した人たちと数多く出会いました。不全感を認知的な訓練などを通じて乗りこえようと
していた人には若い官僚や芸術家らが数多くいました。

貧しさの克服に代表される社会…

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※エリ―ト ← NGワードのため長音を変えています