静岡県は静岡空港の利用促進策の一環で、県内の高校などが実施する教育旅行の目的地に、タイを選択するよう教育関係者への
働き掛けを強めている。タイ路線の利用実績を積み重ね、将来的に定期路線の就航にもつなげる狙いがある。8月には県内の教育関係者ら
による調査団をタイへ派遣し、教育旅行による学習効果や治安の現状を視察する。
 県内の高校などが選定する海外の教育旅行先は現在、台湾が圧倒的な人気を集める。県が新たに重点を置く目的地にタイを選んだのは
(1)治安の良さ(2)日本から5〜6時間で渡航可能(3)日本語教育に熱心で親日感情が強い−などが理由。首都バンコクの市内や近郊には
多くの王宮や寺院があり、世界遺産や仏教教育に触れられるのも好材料だ。
 2019年から静岡空港の運営を担う三菱地所・東急電鉄グループは、就航路線を20年間で現在の11から17に増やす目標を打ち出し、
バンコクへ路線の誘致も視野に入れる。現在、静岡空港からバンコクを訪れるには中国・上海で乗り継ぐ必要があり、県の担当者は
「教育旅行のチャーター便などで実績を積み、バンコク路線を是が非でも定期便化したい」と話す。
 8月の視察には、静岡空港利用の教育旅行を検討する高校や専修学校の校長、教頭、教職員ら10人程度が参加する予定。
現地学校の教育制度視察やタイ政府観光局への訪問を通じ連携強化を図る。
 県と県教委はこれまでも、連携して台湾を中心にした静岡空港利用の海外教育旅行の振興に努めてきた。18年度は、県内の市町や
経済団体でつくる静岡空港利用促進協議会が、参加する児童、生徒1人あたり2千円を補助している。静岡空港が開港した09年度の実施校、
参加者は3校、176人だったが、17年度は18校、1266人まで増加した。

 ■沖縄最も人気 海外は台湾
 県内の小中高、特別支援学校、専門・専修学校が2017年度、静岡空港を利用して実施した教育旅行の行き先で最も人気があったのは
沖縄で、41校、3340人が訪れた。国内ではほかに、九州が11校、317人、北海道が4校、148人で続いた。海外は台湾が断トツで16校、
1232人が訪問。韓国は1校の15人にとどまり、中国はゼロだった。

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http://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/508743.html