<社説>米韓合同演習中止 抑止力要らない世界に

抑止力の呪縛から抜け出す好機として歓迎したい。

米韓両国が8月に予定されていた毎年定例の米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」を中止することで合意した。

米朝首脳会談後にトランプ米大統領が表明した米韓合同軍事演習の中止については否定的な評価もある。

だが、世界が目指すべきは軍事に頼らない外交交渉による平和の確立である。
抑止力など要らない世界へ向けた第一歩として、米韓の合同軍事演習中止を歓迎したい。

トランプ氏は米朝首脳会談後の会見で「米韓演習は挑発的だ。中止により多額の費用を節約できる」と述べ、北朝鮮との対話継続中は米韓合同軍事演習を中止することを表明した。
加えて将来、在韓米軍を縮小したり、撤収させたりする可能性にも言及した。

これに対し、安全保障や米朝関係の専門家の間からは、米韓合同演習中止は無用な譲歩で、米韓の同盟関係を弱めるなどの批判がある。

在韓米軍が撤収すれば、日本にとっては潜在的な前線が朝鮮半島南端まで下がり、脅威への即応が在日米軍や自衛隊の役割拡大に委ねられるなどと懸念する声もある。
さらには米軍嘉手納基地や普天間飛行場の重要性が増すとするなど、朝鮮半島の平和に向けた動きを逆利用し、在沖基地強化を正当化するような指摘さえある。

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-742088.html
続きます