北朝鮮の朝鮮中央通信は13日、トランプ米大統領が12日の米朝首脳会談で金正恩
(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に、米朝間で非核化に向けた交渉が続いている間は
米韓合同軍事演習の中止に「理解を示した」と伝えた。日本を含む東アジアの安全保障に
かかわる議題だが、北朝鮮の主張に譲歩した。韓国政府には事前に伝えられていなかった
模様だ。トランプ氏も首脳会談後の会見で中止を示唆しており、8月に行う米韓合同演習
が実施されない可能性もある。

 同通信によれば、正恩氏が12日の米朝首脳会談で「相手を敵視する軍事行動の中止」
を提起。これを受け、トランプ氏が「(北朝鮮と)対話が行われる間、米韓合同軍事
演習を中止し、北朝鮮に対する安全保障を提供する」との意向を示したという。

 会談を終えたトランプ氏は13日早朝、ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着。
「長い旅だったが、大統領に就任して以来、誰もが今まで以上に安全を感じている。
北朝鮮の核の脅威はもはやなくなった」とツイートした。

 トランプ氏は首脳会談後に行った12日の記者会見で、米韓軍事演習を「挑発的」と
表現し、北朝鮮と交渉をしている間は、軍事演習を中止する意向を示唆していた。
韓国の軍事関係筋によれば、韓国政府はトランプ氏の中止の意向は事前に知らされて
いなかったという。韓国国防省は13日、「トランプ氏の発言の正確な意味と意図の
把握が必要だ」とのコメントを出した。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASL6F5T4PL6FUHBI03K.html