高速道路料金が半額となる身体障害者向けのETC割引制度を悪用し、正規料金の支払いを免れるドライバーが相次いでいることが12日、分かった。阪神高速道路会社(大阪市)が
今年4月末までの1年間で約20人の不正を確認した。兵庫県警は2月、同社の情報をもとに過去5年で130万円以上を“踏み倒した”とされる男を逮捕したが、今後も不正が続けば、
身体障害者全体の利便性に悪影響を及ぼす恐れもある。(木下未希)

 「障害者の割引制度を悪用している車がある」。昨年12月、同社からこんな相談を受けた県警は不正な車の捜査に乗り出した。運転していたのは兵庫県内で自動車整備会社を
営んでいた男(65)。今年2月、電子計算機使用詐欺などの疑いで男を逮捕した。

 県警によると、男の妻は身体障害者で、10年ほど前に妻名義で高速道路料金の割引制度の適用を福祉事務所に申請。割引を受けるのに必要なETC車載器とカードを登録した。

 同制度は身体障害者が登録した車を自ら運転するか、重度の障害者を乗せて別の人が運転する際、高速道路料金が半額になる。男は制度を悪用しようと、仕事で使うレッカー車に
車載器を移設。登録したETCカードで過去5年間、阪神高速道路を2400回以上も不正通行した。不正に免れた正規料金は約130万円以上にのぼった。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180613-00000503-san-soci