女子大生が大学教授への恋をきっかけに、学会での発表を目指す――。日本化学会は11日、こんなストーリーのPR動画を公式サイトから削除した。
会員から「学会にふさわしくない」という批判が相次いだためという。
 学会事務局によると、PR動画は、若者に学会の魅力を伝えようと作成。パンをくわえて走っていた女子大生が教授とぶつかったのを機に恋心を抱き、
化学会に入って学会発表を目指す内容だった。途中、教授が別の学生との不倫が疑われるが、実は親子という設定もあった。
 4月上旬に学会の公式サイトで公開後、「研究のおもしろさはかけらも伝わらない」「女性が科学者を志すのは、男性科学者への
恋愛感情なんかじゃない」といった批判がツイッターなどで相次ぎ、削除を決めたという。
 学会長の川合真紀・自然科学研究機構分子科学研究所長は「多くの若手に化学の道へ進んでほしいという意図だったが、見た人に不快な
思いをさせてしまった。今後は気をつけて取り組んでいく」との談話を発表した。(杉本崇)

https://www.asahi.com/articles/ASL6C4F5WL6CULBJ00C.html