北朝鮮は24日、咸鏡北道(ハムギョンブクト)吉州(キルチュ)郡の豊渓里(プンゲリ)にある核実験場を爆破した。

しかし、デイリーNKジャパンのカン・ナレ記者が担当からレポートしたところでは、北朝鮮政府のある幹部は20日、この実験場について、
「すでに廃棄されていたもの」だと指摘。爆破については「金正恩時代の核戦略システムの完成を宣言するイベントでしかない」と述べたという。
たしかに、多大な犠牲を払って手にした核戦力を、「北朝鮮がそう簡単に手放すはずはない」と見る向きは大きい。

(略)

ある朝鮮人民軍筋は「2013年5月に非公開で行われた軍需工業大会で軍事近代化5カ年計画が採択された」
「今年8月に完了する軍事近代化5カ年計画の最終課題は、三池淵(サムジヨン)戦時司令部に小型原子炉を設置すること」などと述べたという。

両江道(リャンガンド)三池淵にある金正恩氏の胞胎(ポテ)別荘は、山脈を貫いて建設した地下司令部とつながっている。
そこに小型原子炉を設置すれば、それをエネルギー供給源として、金正恩氏の司令部は米国から核攻撃を受けても生き残り、
核兵器で反撃する余裕も持てるとのことだ。

普段から、一般の人と同じトイレを使えないなど生活上の苦労を抱えている金正恩氏ならば、戦時に対する備えにも神経質になっていると思われる。

もっとも、ここで述べられているような情報は裏付けを取ることがほぼ不可能であり、どの程度まで信じて良いものか判断に迷う部分が大きい。
ただ、北朝鮮の現場の幹部の認識はこういうものであり、その認識に従い、各自が役割を果たしているということだ。

またこの幹部は、金正恩氏は自身の誕生日である今年1月8日、国家科学院を現地視察したが、その目的は戦時司令部に設置する
小型原子炉だったとし、豊渓里核実験場の爆破行事は、核戦略体系の完成を知らせる金正恩式の「宣言式」に過ぎないと強調したという。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20180526-00085658/
金正恩氏(朝鮮中央通信)
https://rpr.c.yimg.jp/im_siggwzPI4aEY1kQYBw4wZNJvHg---x800-n1/amd/20180526-00085658-roupeiro-000-4-view.jpg