米主要紙サイト、欧州で閲覧できず 個人情報保護規制で

欧州連合(EU)が25日から個人情報保護の新規制「一般データ保護規則(GDPR)」を施行したことを受け、
ロサンゼルス・タイムズ(LAT)など一部の米主要紙のニュースサイトが欧州で閲覧できない状態になっている。
新規制への対応が間に合わず、主要紙側が一時的にサイトを閉鎖しているとみられる。

閲覧できなくなったのはシカゴ・トリビューンや一部地方紙など。LATのサイトでは「残念ながらほとんどの
欧州の国で利用できません」と表示され、EU市場向けに対応策を検討していると説明。地方紙
アリゾナ・デイリー・スターのサイトでは、利用者がGDPRの適用される欧州経済領域(EEA)域内から
アクセスしようとしているため閲覧できないとの説明が出てくる。

背景として考えられるのは、GDPRが個人データの取り扱いについて、利用者の明確な同意を企業側に
求めていることがある。

ワシントン・ポスト紙のサイトは、欧州の新規制への対応と説明したうえ、閲覧前に「クッキー」の利用などに
ついて閲覧者に同意を求めるようになった。

クッキーは、利用者のサイト閲覧履歴などを記録する仕組み。集められた情報は、利用者の関心分野を
分析し効果的に広告を打つことなどに用いられ、多くのサイト運営者が利用している。

クッキーへの対応を含む個人情報保護対策ができていない企業は、GDPRによる制裁リスクを避けるため、
一時閉鎖を余儀なくされている可能性がある。

USAトゥデーは、EU向けに個人の識別につながるデータを集めない専用サイトを用意した。

GDPRは、EU28カ国にノルウェーなど3カ国を加えたEEAの域内にいる個人の情報保護を強化するのが
目的で、違反した場合には巨額の制裁金を科す。(ロンドン=寺西和男)

https://www.asahi.com/articles/ASL5W2S26L5WUHBI00V.html