森永卓郎氏 「日本経済にとっては安倍総裁の再選が望ましい」

5/25(金) 7:00配信

 自民党総裁選が私の予想通りの構図になったとしても、安倍氏と岸田氏のどちらが勝つかは、正直なところ現状でははっきり見えない。
ただし、はっきり予想できることはある。こと日本経済にとっては、安倍氏の勝利が望ましいということだ。

 岸田氏が勝って岸田政権が誕生すれば、消費税の8%から10%への引き上げが2019年10月から予定通りに行なわれるはずだ。
その結果は、火を見るより明らかだ。前回の消費税率引き上げ後と同様に、日本の景気が大きく失速することは間違いない。

 一方、安倍氏が勝てば、少なくとも消費税が上がることはないと考えられる。安倍氏はおそらく、自民党総裁選前に再び消費税の凍結、
あるいは引き下げを表明すると、私は見ている。なぜなら、内閣支持率の急落という逆境から一発逆転勝利を狙う最後の切り札は、それしかないと思われるからだ。

 日本経済にとって最良のシナリオは、安倍氏が消費税率の引き下げを宣言して勝利することだ。その結果、たとえば消費税が5%に引き下げられれば、日本の株価も一気に上がるはずだ。

 消費税を5%に引き下げても、通貨発行益を財源として利用すれば、財源的には何の問題もないはずだ。日銀は量的金融緩和で国債を
大量に買い増し続けているが、日銀が保有する国債は、元利の返済が実質不要だ。日銀が国債を買い入れるということは、国債を日銀が
供給するお金にすり替えることを意味する。日銀券は元本返済も利払いも不要なので、日銀保有の国債は借金にカウントする必要がなくなる。それが通貨発行益と呼ばれるものだ。

 2017年度ベースの日銀の国債買い入れ額は、約31兆円に上った。ということは、通貨発行益が2017年度ベースで約31兆円出たということだ。
一方、2017年度のプライマリーバランスの赤字額は約19兆円なので、2017年度の日本の財政は実質的に約12兆円の黒字だったのだ。それに対して、消費税を5%に引き下げるために必要な財源は約8兆円なので、問題なく可能なのである。

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