だが、結局のところ、あなたたち権力者はいつでも切り捨てるがわに立つ。
手足を切りとるのは、たしかに痛いでしょう。
ですが、切り捨てられる手足から見れば、結局のところどんな涙も自己陶酔にすぎませんよ。
自分は国のため私情を殺して筋をとおした、自分は何とかわいそうで、しかもりっぱな男なんだ、というわけですな。
『泣いて馬謖(ばしょく)を斬る』か、ふん。
自分が犠牲にならずにすむなら、いくらだってうれし涙が出ようってものでしょうな。