森林総合研究所(茨城県つくば市)は、木材を発酵させ、木の香りを残したままアルコールを
製造する技術を開発したと発表した。今後飲用のための安全性を確認し、民間企業との
共同研究を経て2020年度までに世界初の「木のお酒」実現を目指す。

木から燃料用アルコールのバイオエタノールを製造する技術はあるが、硫酸を使用したり、
分解しにくい木の成分「リグニン」と一緒に香り成分まで除去されたりするため、燃料以外に
使うことは難しかった。

森林総研は、木を粉砕してクリーム状にし、食品用の酵素や酵母を加えることで、リグニンと
香り成分を残したままアルコール発酵させる技術を開発。スギ、シラカバ、サクラ(ソメイヨシノ)などで
試験製造し、スギの場合、木材4キロからワインと同程度の度数のアルコールを含む液体が約3・8リットルできた。

https://mainichi.jp/articles/20180428/dde/007/040/027000c