おみやげが広まったのは新幹線や飛行機のおかげ?

ところで、おみやげは日本独特の文化だということを知っていましたか? 海外でもキーホルダーや置物などを売っていることはありますが、それは、あくまで自分のために買うもの。日本のように、人に配るために買うものではありません。その土地の名産品が多いのも日本ならではのものだとか。

おみやげが日本全国に普及した背景には、近代以降の鉄道網の発展があります。江戸時代に東海道の旅人が茶屋で食べていた安倍川餅もその一つ。もともとは買ってその場で食べるものでしたが、鉄道が普及することで、餅が保存性の高い求肥(ぎゅうひ)に変えられました。そのことで長時間持ち歩けるようになり、静岡駅の名物みやげとして広まったのです。

また、福岡県・太宰府の門前で売られている梅ヶ枝餅も、江戸時代から売られている名物です。あずき餡を薄い餅の生地でくるんでいるため、あまり日持ちせず、持ち帰りには向きません。しかし、現在は、博多駅や福岡空港で気軽におみやげとして買うことができます。これも、鉄道や飛行機などの発達があるからこそ。移動時間を大幅に短縮できるようになり、おみやげを買いやすくなったのですね。

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