「名刺渡した」食い違い 杉山県議人身事故 ひき逃げ用適用の鍵
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 自民党の杉山信雄県議(60)=川崎市川崎区選出=が人身事故を起こし、警察に通報せずに現場を立ち去った問題で、杉山氏とけがを負った男子高校生(15)の説明が食い違っていることが15日、県警への取材で分かった。
現場で「名刺を渡した」とする杉山氏に対し、男子生徒は「もらっていない」と否定、現時点で名刺は見つかっていないとみられる。県警は道交法違反(ひき逃げ)容疑の適用に絡む重要な鍵になるとみて、慎重に調べを進めている。


◆生徒「もらってない」

 杉山氏は同日、県庁で会見し、警察への通報を怠ったことが道交法違反に該当することについて、「認識はなかった。深く反省している」と謝罪。
議員辞職に関しては「今は被害者の回復に誠心誠意尽くしたい。(捜査結果が出るなど)しかるべきときに判断する」との考えを示した。

 事故現場での男子生徒とのやりとりについては、「自転車の修理代として1万円を渡した」「携帯電話が破損してもっと修理代が掛かると思い、『何かあったら連絡をください』と名刺を渡した」と説明。
これらの対応で「被害者への対応は十分できていると思った」とし、男子生徒や保護者の連絡先は聞き取らなかったという。

 一方、現場で現金を手渡した理由を問われると、「口止めとか、示談解決とは全く思っていない」と強調。当時は会合出席のため「急いでいた」とし、飲酒運転などは否定した。

 捜査関係者などによると、名刺の受け渡しを巡り男子生徒の説明と食い違っており、ほかにも複数の部分で説明が異なる点があるとみられる。

 中原署によると、杉山氏は12日午前、同市中原区の信号のない丁字路を乗用車で左折しようとしたところ、男子生徒の自転車と接触。
転倒した生徒のけがの具合を確認し、警察に通報せずに立ち去ったとされる。目撃証言などから杉山氏が浮上し、同日夕に同署の任意の事情聴取に事故を起こしたことを認めた。

 同署は自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで調べている。