仕事でメールを「全く〜週数回しか使わない」 —— スマートニュースのブランド広告担当者の菅原健一さん(41)がメールの利用頻度を、 Facebook上でアンケートした結果、ビジネスパーソン約150人の約3割がこう回答した。菅原さん自身、「基本的にメールは使わない」派。仕事上のコミュニケーションにはFacebookのメッセンジャーを使う。

アンケートでメールを「使わない」と答えた人たちのコミュニケーションツールも、Facebookのメッセンジャーだった。メールに比べ、10倍程度の速さで“ラリー”が進む。仕事の依頼があれば、Facebookの友達や友達の友達とグループを作り、仕事を進める。「既存の仲間」と仕事をする方が成功確率が上がるからだ。メッセ派にとっては、メール派は「別の生き物」に写るようだ。
「メールをする人とは仕事しない」

「メールをほぼ使わなくなって5年」

菅原さんは、今ではメールを見るのは3日に1回数程度。受信箱は、ニュースレターや企業のDMでいっぱいだ。やや大げさだが、「メールをする人とは仕事をしない」という。

取材もメッセンジャーで申し込んだ。すると菅原さんは早速、メールの利用頻度を尋ねるアンケートをFacebookに投稿。1370人のフォロワーに投稿で投げかけ、24時間で142票が集まった。

結果は、仕事でメールを使う頻度は、29パーセントが「全く〜週数回」、71パーセントが「メールがメイン」。アンケートの中で「メールは要らない」と回答した人たちは、「スタートアップ経営者」「執行役員以上、マーケターや事業を見ている人」「エンジニア」「クリエイター」「フリーランサー」「エンジェル投資家」「広告業界営業」などが多かった。
やりとり回数はメッセンジャーで10倍

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もう5年ほど前からメールを使わずに仕事をする菅原さん。

数としてはまだまだメールが“優勢”だが、菅原さんは意に介さず、「こうやって仕事(アンケート)が、どんどんサクサク進む時代ですね」と実感する。

菅原さんがメールを使わなくなったのは、前職の時、生産性を上げる方法を考えたことがきっかけだった。仕事の時間を確保するため、電車移動をやめ、徒歩、タクシー利用に切り替えた。タクシーの中を仕事をする空間に変えた。

次に見直したのが、コミュニケーションツールであるメールだった。

辞めた当初は「メールを見てください」と言われることもあったが、今はメールを使わないことが周知され、メッセンジャーにメール内容を貼り付けて送ってくれる取引先も出てきた。

菅原さんは今、およそ200プロジェクト、100人と営業のやりとりをする。メールでは1、2カ月かかることが、数日で終わるという。メッセンジャーのやりとりは、1日50〜100人とやりとりを1000往復ほどしている。

「メールでは、相手が止まるので無理です。メールなら、1日で2、3回だと思いますが、メッセンジャーだと20〜30回やりとりができる」

メールを返信する時は、「お世話になっています」という前文から始まり、「意思決定の量も質も上がらない」。メールを使わなくなり、「普通は3カ月や半年後くらいで進むプロジェクトを、『来月なんとかならない?』という仕事も来るようになった」(菅原さん)
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