「ライト消灯」はマナーなのか? 夜間の信号待ち、一部に残る慣習
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 夜の交差点で信号待ちをしている車列に、ヘッドライトを消しているクルマを見かけることがあります。

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 こうした慣習は特に大都市でみられるようですが、交通ルールに照らすと正しいものではなく、停車中もヘッドライト点灯の義務があります。
東京都世田谷区の自動車学校、フジドライビングスクールの田中さんは、「道路交通法では、夜間の道路にあるときは常にヘッドライトを含む灯火をつけなければならないと定めていますので、教習ではヘッドライトを消すようには教えていません」と話します。

 このような慣習はどのようにして広がったのでしょうか。引き続き田中さんに聞きました。

――信号待ちでヘッドライトを消す慣習は昔からあったのでしょうか?

 交差点で停車している時に消灯する慣習は、かつて東京などの大都市で多くのクルマに見られましたが、もとはタクシー業界から生まれたものと聞いています。
昔のクルマはアイドリング状態での発電能力が低く、さまざまな機器を積んでいるタクシーはバッテリーが上がりやすかったのです。そこで、ヘッドライトをこまめに消してバッテリーの消耗を抑えていたようです。

 そうした慣習が一般にも広がったと考えられますが、現在のクルマは発電やバッテリーの性能が向上していますので、交差点でライトを点けっぱなしにしてもバッテリーが上がることはありません。
また、交差点でヘッドライトを消す慣習には、もうひとつ「対向車のドライバーがまぶしいと感じるから」というマナー上の理由もあるようです。

ライトを消すと、自分の位置をアピールできない

――交差点でヘッドライトを消灯すると、安全面でどんな問題があるのでしょうか?

 ヘッドライトを消していると自分の位置を周りにアピールできないのが問題です。
特に、交差点の左右から曲がってくるクルマから見えづらくなるため、事故に巻き込まれる可能性が高くなるのです。また、信号が青に変わって発車する時に、ヘッドライトの点灯を忘れてしまう恐れもあります。