積水化学はゴミを分別する手間を省くため「ガス化」に着目した。
ゴミを低酸素状態で蒸し焼きして、分子レベルにまで分解していく。
これにより家庭用の一般廃棄物や産業廃棄物も含め、可燃性ゴミなら大半を「一酸化炭素」と「水素」に変換できるようになった。

ガス化プロセスは既に国内で普及しており、焼却効率を高めるため全国のゴミ処理施設の1割に採用されている。

一酸化炭素(CO)と水素(H2)が作れれば、あと一歩。
高温・高圧の環境で金属触媒と反応させれば、エタノール(C2H5OH)を製造できる。

ただしここで新たな問題が生じる。
多大なエネルギーを投入しなければならないので、経済的に見合わない。

そこで積水化学は発想を転換。
微生物の”エサ”として一酸化炭素と水素を用い、その代謝物としてエタノールを得ることにした。
酵母でコメを発酵させて日本酒を造る仕組みと同様だ。

苦労したのは最適な菌株を探し出すこと。
世界中の大学や研究機関からエタノールを生成する微生物を独自に取り寄せ、評価を繰り返した。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226265/040600249/?P=2