クルマの電動化が進む今、考えたいのは使用済みとなったバッテリーをどうするかだ。
まだ使える電池をゴミにしないためには再利用が不可欠だが、中古バッテリーのビジネスには難しい部分も多そうだ。
そんな難題に挑むフォーアールエナジーの牧野英治社長に話を聞いたので、前編・後編に分けてお伝えする。

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初代「リーフ」発売前に誕生したフォーアールエナジー
日産自動車が51%、住友商事が49%を出資し、2010年9月に創業したのがフォーアールエナジーだ。
同社は、電気自動車(EV)で使用済みとなったリチウムイオンバッテリーを再利用(Reuse)/再販売(Resell)/
再製品化(Refabricate)/リサイクル(Recycle)するための会社であり、
その頭文字をとって社名(4つの「R」でフォーアールエナジー)とした。

同社の誕生は、日産のEV「リーフ」が発売される3カ月も前のこと。
その前年に三菱自動車工業が法人向けEVの発売を開始したばかりで、世の中にまだほとんどEVの存在しない頃であった。

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日産が自社のEVを売り出す前に、その使用済みバッテリーを事業基盤とする会社が立ち上がったのはなぜか。
フォーアールエナジー代表取締役社長の牧野氏は次のように語る。

「日産の先進技術の担当部長として北米に赴任し、EVはもちろん、燃料電池車(FCV)やハイブリッド車(HV)の実証実験、
あるいは他社とのパートナーシップに関わっていた折、現地では試作車の『アルトラEV』(日本名:ルネッサEV)に
乗っていました。帰国後、短期間インドでの生産工場の立ち上げに関わったあと、日産のトップマネージメントに呼ばれ、
『EVをやれ』と下命があったのです」(以下、発言は牧野氏)

「北米でEVに乗っていた経験から、EVの普及へ向けて良いクルマを開発するのは自動車メーカーとしてもちろんですが、
いずれは使い終わった大量のリチウムイオンバッテリーをなんとかしなければいけないとの思いがありました」

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