タワマンしか売れない 進む人口減、実需も投資も集中
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29713390T20C18A4K10100/

「津田沼でもこんなに売れるのか」。
業界関係者が感嘆の声を漏らすマンションがある。
三菱地所レジデンスや三井不動産レジデンシャルなどが分譲中の
「津田沼ザ・タワー」(千葉県習志野市)だ。

3LDKの住戸で6000万円台が中心。5000万円前後が多い周辺では高額だが、
3月開始の第1期販売では全759戸の半数近くが売れた。
完成は2年後の2020年。同地域では完成後に売れ残る物件もあるだけに、販売ペースの速さは鮮明だ。

■「駅直結」を武器に
なぜ、このマンションだけ売れるのか。最大の理由は「駅直結」だ。
JR津田沼駅と歩行者専用通路でつながり、徒歩4分で駅に着く。
東京駅まで電車で40分かからない計算だ。周辺で駅前物件は珍しく
「並行して他物件の購入を検討していた契約者はほとんどいない」(三菱地所レジデンスの河野隆二氏)。
立地の優れたマンションは高くても売れるが、劣る物件は安くても売れない――。
市場の二極化は一段と先鋭化が進んでいる。理由は価格の高騰だ。

不動産経済研究所(東京・新宿)によると、17年度に首都圏で分譲されたマンションの平均価格は5921万円。
バブル期の1990年度の6214万円に次ぐ水準だ。人手不足や資材価格上昇で建築費が高騰。
郊外のマンションも価格が上がり「戸建て住宅より割高に感じる消費者が増えた」(松田忠司主任研究員)。

好調なのは駅前のマンションばかりだ。東京都国分寺市で住友不動産(8830)が
販売中の「シティタワー国分寺ザ・ツイン」もそのひとつ。
中心価格が3LDKで8000万円台半ばと多摩地域では異例の高値だが、
JR国分寺駅に直結する強みを武器に全住戸の6割強を販売した。