中国人はなぜ日本の水源を買うのか? 水ジャーナリストに聞いてみた

あとは水源地の所有者が不明になっていて、そこに外国資本がやってきて水源を買っているというのも問題ですね。

――中国資本が水源地を買いこんでいるという話がありましたね。

橋本:広大な面積の土地が買われています。集落ができるレベルです。地元の不動産業者もメディアも知っていますが、
それがオンエアされることはほとんどありません。

それはなぜかというと、中国資本が買いにきているという側面もあるんですが、反対に言えば、
日本人がどんどん売っているということなんです。親から相続したけれど、自分は都会で暮らしていて、
固定資産税もかかってしまうからいらないと考えている人が多く、需要と供給がマッチしているわけです。

――中国人はなぜ日本の水源を買っているんですか?

橋本:投資目的、開発目的のほかに住むことも想定していると思います。一時期、水を汲みあげて中国に持っていくという
話も出ましたが、コストを考えると現実的ではない。。中国よりも日本の方がリスクは少ないし、
中国の富裕層は現体制に対して相当強い危機感を抱いていますから。

――中国人の富裕層が中国から離れたがっているということですか?

橋本:彼らは有事の時にも自分の一族が暮らせていけるように保険をかけるんです。そのリスクヘッジの一つとして
北海道の広大な土地を購入している。

中国で、富裕層に、その一族が生きていける食料を作る用地と水源を見せてもらったことがあります。有事に備えて水と
食料を確保しているのです。

――危機に備えているわけですね。

橋本:彼らは中国で売られている野菜をまず口にしないですからね。自分たちが作っている物しか信用していません。

そういうニーズが中国人の側にもあったので、需要と供給のバランスがちょうど取れていた。まあこれは中国人が
「買いこんでいる」というよりは、日本人が「手放している」というべきことだと思いますが。

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