間違いなく、稀代の奇書だ。今年1月に出版された『エンドレスエイトの驚愕 ――ハルヒ@人間原理を考える』(春秋社)は、
「エンドレスエイト」だけで400ページ以上を費やした哲学的論考。著者は東京大学人文社会系研究科の三浦俊彦教授である。
「エンドレスエイト(以下EE)」とは、TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の第二期(2009年)で放映され、物議を醸した8話分「エンドレスエイトT〜[」のこと。
第12話〜第19話に相当する。作品内時間がループしていることを表現するため、「同一脚本、完全別作画」でほぼ同じストーリーを8週にわたって放映した実験作だった。
が、視聴者にはおおむね不評で、以降のハルヒ人気を萎えさせてしまったA級戦犯……というのがアニメ界隈では一致した見方だ。
ところが、三浦氏はそこに待ったをかけた。これまでに論理学の学術書や小説、エッセイなど多くの著作がある同氏の専門は「美学・分析哲学」。
これらを駆使した学術的論考によって、駄作評価が定着している「エンドレスエイト」に新しい価値を見出すという、冗談だか本気だかわからない試みが本書なのだ。
第1回の今回は執筆の動機を皮切りに、定説化しているEE(エンドレスエイト)の解釈における重大な“誤読”について聞いた。

以下ソース
http://tocana.jp/2018/04/post_16508_entry.html