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世界に類を見ない君民共治 〜18世紀フランスの思想家ジャン=ジャック・ルソーが思い描いた理想の世界が、戦前の日本に存在した〜
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かつてフランス革命に大きな思想的影響を与えたジャン・ジャック・ルソー(1712 - 1778)は、かの有名な『社会契約論』で次の如きことをいっている。

「人もし随意に祖国を選べというなら、君主と人民の間に利害関係の対立のない国を選ぶ。
自分は君民共治を理想とするが、そのようなものが地上に存在するはずもないだろう。
したがって自分は止むを得ず民主主義を選ぶのである。」

ここでいう君民共治というのは、君主が決して国民大衆に対して搾取者の位置にあることなく、したがって国民大衆も君主から搾取されることのない政治体制のことである。

ところが日本人にこの話をするとみな不思議そうな顔でキョトンとする。
私は最初その意味が全くわからなかった。しかし、だんだんその意味がわかってきた。
日本の天皇制にはそのような搾取者と被搾取者の関係が存在しない、ということを私が知らされたからである。
今度は私の方が驚かされた。


日本人のためにちょっと説明しておくと、欧州でも、また最近追放されたイランの王室でも、君主はみな国民大衆に対しては搾取者の地位にあるものである。
したがって、亡命するときは財産を持って高飛びする。これが常識である。

しかるに、ユダヤ人ルソーの思想は搾取、被搾取の関係にない君主制を求めているわけである。
これは確かに理想である。

しかし残念ながら、ルソーはそのようなものが実在できるはずもないから

『やむを得ず、民主主義を選ぶ』

というものである。

私がルソーの時代に生きていたならば、ルソーにこういったであろう。
「直ちに書きかけの社会契約論など破り捨て、速やかに東洋の偉大な君主国へ馳せ参ぜよ」と。