若者たちが一つ屋根の下で過ごす様子をドキュメンタリータッチに描いたテレビ番組
「テラスハウス」が人気を集めたことで、空前のルームシェアブームが起きている。
20代前半の若い男女が楽しく和気あいあいと過ごす生活――。
そんなルームシェアにアラサー男が住んだらどうなるのか。

そこで、「ルームシェアに住んだら若い彼女ができるかもしれない」と淡い期待を抱きつつ、
昨年末に東京都葛飾区のルームシェア(家賃5万円)に引っ越したばかりの
38歳の独身男・Tさんに話を聞いてみた。

「入居するときに、LINEのグループに参加させられて、そこでいろいろな情報交換がされているんです。
『今日肉じゃがつくったので、キッチンにあつまれ〜』『今から大広間で卓球しませんか』とか。
一回、料理をつくったという集まりに参加してみたんです。
でも、僕以外はみな20代前半で、スゴく楽しそうに盛り上がっているんですが、
僕とは話が噛み合わなかった……もう料理の味も覚えていません」(Tさん)

シェアハウスに引っ越して1か月のTさんだが、すでに引きこもりがちに。
キッチンが共同のため、自炊することもできず、主に夕食はマクドナルドのハンバーガーを
テイクアウトして2畳の部屋で食べているという。

「施設は充実しているシェアハウスなので、シアタールームがあるんです。
せっかくだから、と深夜そのシアタールームで一人、ももクロのライブDVDを観ていたんですよ。
誰か来たら打ち解けられるかな、と期待していたんです。
そうしたら、ドアがガチャって開いて……でも、上の階の人で『うるさいから音量を下げてもらえませんか』
って怒られてしまいました」(Tさん)

入居前に抱いていた「20代前半の若い彼女」など当然作れるはずもなく、
20代の若い男女の輪に入ることもできないTさん。
「このシェアハウスは、最低半年間は住み続けないといけない契約なんです。
残り5か月……地獄ですね」とのこと。
38歳にもなって、初めてのルームシェア生活を始めるには、相当な覚悟が必要のようだ。