◆お守りのご利益・効果……「効果なし」とは言えない面も
健康祈願、商売繁盛、恋愛成就、合格祈願……。神社などに行くと願い事に合わせて様々な種類のお守りが売られています。これらのお守りをバッ
グや財布に入れて持ち歩いている人や、「幸運の○○」「子宝に恵まれる××」と言われるようなモチーフや、パワーストーンで作られたブレスレ
ッドなど、いわゆるラッキーチャームの類を身に付けている人は少なくないものです。受験勉強中や病気が見つかった時など、それぞれにご利益が
あると言われる神社などにお参りに行き、強い気持ちでこれらのお守りにすがることもあるでしょう。
また以前は、組み紐の一種である「ミサンガ」が「自然に切れると願いが叶う」といった言葉とともに、サッカー選手から広まって大流行したこともあり、お守り的なものがファッションとしての要素を強めて人気を集めたこともあります。
いずれにしても、それらの効果は科学的根拠はないと言う人は少なくないでしょうが、そんな野暮な事は言わないで……と思われる方も少なくないでしょう。今回はこれらの広い意味での「お守り」の、精神医学的な効果について、詳しく解説します。
◆持つ人の精神的変化と行動で変わる、お守りの「効果」
古くからある神社のお守りを始め、何かのゲンを担いだものを身に付けてから、本当に願いが叶った、物事が上手くいくようになった、という声はよく聞くものです。
これらは科学的な実証は難しいものですが、非科学的だと主張するのは、幸運を呼び寄せるメカニズムは科学ではないと言うようなもので
しょう。お守りの効果やご利益に対しては、結果までの論理的な過程が話題になることは通常なく、結果そのものにのみ話題の重点が置かれるものです。
縁結びであれ志望校合格であれ、もし何かしらのお守りを身に付けて気持ちがポジティブになって力を発揮できるならば、それはとても結構
なことだと思います。もし信じているお守りの類が、極端に値が張るものでもなく、信じることで日常生活にも何の問題も出ないのではあれば、他人がどうこう言うべき問題ではありません。
https://news.mynavi.jp/article/20180409-614118/
◆プラセボ効果の例に見る「信じること」が心身に与える影響
お守りの効果は、強く信じる人もいれば、全く信じない人もいます。効果を信じない人にとっては、お守りの効果を信じて大切にしている人はナンセンスに見えるかもしれません。しかし、信じることによって、お守りの効果が発揮される可能性があることは、否定できないことです。
信じることが効果を生み出す例は、医学的にも知られる「プラセボ効果」でも説明できます。プラセボ効果とは、実際には効果のない偽薬(プラセボ)を、「よく効くお薬ですよ」と、その研究に参加された方がそう説明されて信じて飲むことで、実際に言われたような効き目がある程度現れたり、実感したりすることを言います。実際にはないはずの効果が、「そうだと信じる」ことで現れてしまうのです。
このような例からも、心理的な要素は身体症状に影響を与えることがわかります。