性被害の子ども、無料で性病検査 県警が継続的に支援

 県警は四月から、児童買春や淫行などの被害を受けた子どもが性病検査を無料で受診できるようにする。県警が三月三十日に発表した子どもの性被害の支援策に盛り込んだ。全国でも珍しいという。

 性病検査は本人と保護者の同意を得られた場合に県内三カ所の病院で実施する。一人一万円程度の費用を県警の外郭団体である「県少年補導委員会連合会」が負担。警察官が病院に同行し、被害者に寄り添う。親子参加型の性教育セミナーも開くほか、同意が得られなかった場合でも、相談窓口などを記載したリーフレットを配る。

 事件捜査で性被害に遭った子どもから事情を聴いた警察官や少年補導職員が、事件を通じ形成した信頼関係を生かし、被害回復や再発防止などの継続的な支援につなげる。

 児童買春などの事件で被害に遭う未成年者は、県内で増加傾向にある。県警によると、二〇一七年では百三十六人で、一二年の八十人より五十六人増加した。未成年者にスマートフォンが普及し、会員制交流サイト(SNS)や出会い系サイトなどを通じて気軽に大人と知り合える環境が背景にあるとみられる。

 県警の杉浦巌少年課長は「事件や相談などを通じてできた被害者との関係を断ち切ることなく、持続的な支援につなげたい」と話している。
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20180402/CK2018040202000056.html