矢追純一。その名は、1970〜80年代を生きた日本人に強烈な印象を残している。80年代に幼少期を過ごした私も、
日本テレビ『木曜スペシャル』のUFO特番や超能力特番に熱狂した。まだ家と学校の中だけで生きていた時代、
矢追さんは世界の不思議への案内役だったのだと思う。だが、大人になってテレビ史を研究する中で、彼は何よりも伝説の
テレビマンだったのだと気づかされた。そして、テレビマンとしてのお話を聞いてみたいと思った。

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「宇宙人が乗ってきてるかもしれないので、空を見ましょうよ」

僕は、バックパッカーで世界中を旅行してたから、大体知っているんでね。日本人は、多分精神的に余裕がないんだろうなと思い始めた。
社会全体がこの状態だと日本はいずれ煮詰まるぞ、と。だから、たまには立ち止まって空を見ろよ、という番組にしようと思った。

―― ということは、UFOを探すことが目的ではなかったんですね。

本屋でふと目に入った本に「空飛ぶ円盤」って書いてあったのね。当時、UFOなんていう言葉はないよ。あれは僕が流行らせたからね。
パラパラ読んでみたら、宇宙人が来てるらしいと書いてある。それで、「宇宙人が乗ってきてるかもしれないので、空を見ましょうよ」
という番組を作ったわけ。

http://bunshun.jp/articles/-/1784