https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180401-00007647-bengocom-soci

2020年に開催される東京五輪・パラリンピックのボランティアがTwitterなどで批判を受けている。その背景には、負担
の多さにある。大会組織委員会が3月28日、ボランティアの募集要項案を発表したが、「10日以上活動できる人」とい
う条件や、地方や海外から参加する場合の交通費や宿泊費が支給されないことなどから、
「やりがい搾取のブラック企業?」という声が上がった。

さらに懸念されているのが、万が一ボランティア活動を行なっている間に事故や事件に巻き込まれた場合の「保険」だ。
通常のボランティア活動は労災認定が難しいことから、任意で「ボランティア活動保険」に加入することになる。では、
五輪ボランティアの保険も自己負担なのか、参加が予定されている中高生ボランティ
アは加入できるのかなど、Twitterでは疑問が相次いだ。

五輪ボランティアはネットで言われているように、本当に「保険加入なしで自己責任」なのか。大会組織委員会に聞いてみた。

●参加に厳しい条件? 五輪ボランティアが批判される理由

大会組織委員会が3月28日に公表したボランティアの募集要項案によると、合計11万人のボランティアを募るとされている
。これまで五輪の運営はボランティアに支えられてきたといっても過言ではないが、東京大会では過去最大規模となる。

11万人の詳しい内訳は、競技大会や選手村で活動する「大会ボランティア」8万人(組織委員会が運営主体)と、空港や
観光地、駅などで活動する「都市ボランティア」3万人(東京都が運営主体)。このうち、特に批判されているのが大会ボランティアだ。

大会ボランティアには、ユニフォームや活動中の飲食は提供される。しかし、大会前は研修への参加、大会中は1日8時間
程度、合計10日以上の活動などが必要な上、東京および競技会場のある都市への交通費や宿泊費は自己負担・自己手配となる。

これら厳しい条件に対し、「やりがい搾取のブラック企業?」「奴隷?か何か?」とTwitterでは批判が相次いだ。

●大会ボランティアと都市ボランティアには保険を提供

中でも懸念されているのが、ボランティアに参加中に事故や事件に遭った場合の補償だ。特に暑さの厳しい時期の開
催であるため、冷房のない野外などで活動するボランティアは、熱中症で命の危険も指摘される。当初、保険などの
補償が明らかでなかったため、自己責任になるのではという不安の声も多かった。

通常、ボランティア活動には労災が適応が難しく、「ボランティア活動保険」の加入が推奨される。熱中症や食中毒へ
の補償もあるものだ。弁護士ドットコムニュース編集部が大会組織委員会や東京都に取材したところ、大会ボランティ
アと都市ボランティアについて、いずれもボランティア活動保険の提供があるという。自
己負担で加入する必要はないようだ。