「Amazonされる」など造語が誕生するほど恐れられるAmazonの悪夢のような底なしの欲望
https://gigazine.net/news/20180316-amazon-nightmare/

Amazon倉庫の過酷な労働環境が明らかになったり、Amazon本社で飛び降り自殺が起きたりと、Amazonの職場環境についてはこれまで何度も批判と称賛が飛び交ってきました。
そんなAmazonについて、ジェフ・ベゾスCEOは「『Amazonのやり方が正しい』とは言わない、しかし20年で根付いた文化だ」とコメントしているのですが、新たにBloombergが「どうやってAmazonはアメリカ企業にとっての悪夢となったか」というコラムを投稿しています。

Amazonは世界で最も驚異的で、不合理に拡大を続ける恐るべき企業です。今では石けんを販売しながらテレビ番組などの制作を行い、政府にはコンピューティングパワーを売りつけ、クリスマスイブでもユーザーの求めるものを戸口まで配達してくれます。

2018年には地球上で最も価値のある企業とランク付けされたAmazonですが、年間利益はサウスウエスト航空よりも少なく、世界で426番目に多いという程度。ただし、Amazonのジェフ・ベゾスCEOは世界で最も裕福な人です。Amazonはインターネット上で誕生したECサイトですが、今では自前の倉庫や食料品店を持っており、エンパイア・ステート・ビル換算で90棟分の不動産を所有しています。

Amazonはその影響力を年々増しています。ベゾスCEOはAmazonがあらゆる業界で確固たる地位を確立することを望んでいるかのようであり、総合格闘技UFCのPPVを販売したりリアル販売店舗をオープンしたりと、事業の拡大はとどまるところを知りません。
また、ベゾスCEOは「Amazonで築いた富を宇宙旅行事業実現のために使う」と発言しており、宇宙旅行事業にも関心を寄せていることが明らかになっています。

急速に成長してきたAmazonですが、それがなぜ他の企業にとっての悪夢となっている状況について、Bloombergは「アメリカの大企業の幹部たちは、2017年に投資家との電話の中で何千回もAmazonについて言及しており、
その回数は『トランプ大統領』や『税金』よりも多い」と、Amazonの影響力の大きさを表現しています。
検索エンジンのGoogleが「検索する」という動詞として使われるようになったように、「Amazon」という単語は「他の企業に損害を与える」ことを示す動詞として使われるようになり始めているそうです。
実際、一部では「be Amazoned(アマゾられる)」という用語が「あなたのビジネスは他企業の参入によりダメになるかもしれない」という意味で使われているとのこと。

以下のグラフは「be Amazoned」がいかに他の企業にとって脅威であるかを示すもの。2018年1月30日にAmazonはJPモルガンやバークシャー・ハサウェイと協力してヘルスケア市場へ参入することを発表したのですが、その前後でのヘルスケア関連銘柄の値動きを示したグラフ。
1月29日の終値を100としており、100以上になっていれば「1月29日の終値よりも高い」、100以下なら「1月29日の終値よりも低い」ということになります。1月30日の発表後、ヘルスケア関連銘柄は全て100以下に落ちています。