あきらめるな新幹線の旭川延伸
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札幌駅で新幹線のホームをどこに設けるべきかをめぐる議論が熱を帯びているが、
道北地区では新幹線への関心が低迷している。
「基本計画」に沿った旭川までの延伸は、どうすれば実現できるのか。
巨額の建設費用を調達するための大胆な方法と、強い政治家の登場が不可欠だ。

■札幌延伸は12年後
昨年3月に開業した北海道新幹線。観光客の着実な増加に、函館など道南は湧いている。
北海道新幹線に注目するのは国内の観光客だけではない。
台湾のエバー航空が旭川便を短期の季節運航に変更し、函館に毎日1便を
乗り入れるようになったのも、北海道新幹線ブームが一因だ。
札幌延伸は従来よりも5年前倒しされて2030(平成42)年度末を目指すことになり、
札幌駅の新幹線ホームをどこに設けるかを巡る論議が熱を帯びてきている。
一方、道北での新幹線に対する関心は低いまま。現状では旭川から函館まで
JRで5時間余りが必要であることから、函館からの新幹線利用は現実的ではなく、
札幌延伸が道北にもたらす効果も見通せない。

しかし、国が描いた新幹線網の青写真には、しっかりと「旭川延伸」のビジョンが描かれている。
全国新幹線鉄道整備法にもとづき1972年に行われた運輸省告示(いわゆる基本計画)によれば、
北海道新幹線は青森を起点とし、函館や札幌を経由して旭川を終点にすると明記されている。
当時の運輸大臣は旧衆院道2区選出の衆院議員、佐々木秀世氏。
終点が札幌ではなく旭川に置かれたのは、佐々木氏の遺産なのかもしれない。

基本計画から45年が経ったいま、その内容は大半が実現したか、事業が着々と進んでいる。
九州新幹線は2011年に鹿児島まで全線開業、奥越新幹線はミニ新幹線の山形新幹線、
秋田新幹線として実現した。中央新幹線はリニア方式を採用して、3年前に着工している。
日本列島の主要な4つの島のなかで唯一新幹線が走っていない四国ではいま、
経済界を挙げての誘致活動が進む。