イギリスで犬や猫をペットにする際の新たな法案が出され、現在審議中であるという。

 もしこの法案が可決されると、犬や猫を飼いたい人や里子にもらいたい人はブリーダーや保護施設から直接入手しなければならなくなる。
マイケル・ゴーヴ環境相によれば、法案は動物福祉の基準を改善することを目的とした新政策の一環であるという。

ペット販売クライシス
 昨年、英国環境・食料・農村地域省が仲介業者による販売の禁止は違法マーケットを作り出す可能性があると示唆した。

 ドッグトラストの獣医ディレクターを務めるポーラ・ボイデン氏には、「現時点で子犬(子猫含む)取引を禁止すれば、
業者自身が保護施設を設立すれば子犬販売が可能という抜け穴ができる」懸念があるという。

 取引の関係者全員を当局が把握するためには、ブリーダーや販売業者の認可制と監視体制も強化せねばならない。

 RSPCAのクリス・ウェインライト副代表は、「ペットショップによる販売を禁止するだけでは、子犬取引に関する危機を終焉させる上で不十分」と述べる。
そのためにブリーダーの認可条件が厳格化されたことは歓迎すべきことだそうだ。

 ブリーダーや販売業者の中には、光も当たらない寒く不衛生な檻の中で子犬を飼育する悪質な業者がいる。檻の中に死んだきょうだいの遺体が放置されていることすらあるそうだ。

 世界的に、劣悪な環境下で犬猫にひたすら子どもを産ませて繁殖させ、利益を得ようとする「パピーミル(子犬工場)」は問題となっている。

ネット販売によるトラブルも
 またネット販売されたあるジャックラッセルテリアで、皮膚病の疑いがあるまま売りに出されていたという事例もある。その子犬は生後6週で、
法的に子犬の販売が許可される年齢に達していなかったが、販売業者は生後10週と偽っていた。

 2018年10月末に施行される新法では、ジャックラッセルテリアの事例のような仲介業者による犬の販売が禁止される。
 
 「犬や猫の入手は商業的ビジネスではありません。
大手の子犬繁殖業者は動物の健康や福祉など気にも留めません」とメイヒューアニマルホーム代表のキャロライン・イェーツ氏は話す。
そうした場所から騙されて子犬を入手する飼い主が後を絶たないのが現状だという。

 イギリスで高値で売るために、フレンチブルドッグの子犬を東欧から輸送するという事例もあった。この子犬はしばらくして死んでしまった。

 現行の法律はこうした犬たちを守っておらず、子犬取引問題に対応できる適切かつ強制力ある法制度が必要とされている。

References:viralnova/ written by hiroching / edited by parumo

 アメリカ、アリゾナ州では2015年、ペットショップで販売できるのは保護された動物のみとする州法が可決された。世界的に動物を保護する動きが高まっている。

http://karapaia.com/archives/52254117.html