李首相の公式訪問調整 政府打診

 政府は2日、日中韓首脳会談に合わせた訪日が見込まれる中国の李克強首相について、政府の重要賓客として迎える方向で調整に入った。
日中関係改善への意欲を中国側に示す狙いがある。国賓、公賓に次ぐ格式の「公式実務訪問賓客」と位置付け、天皇陛下との会見を日程に組み入れる案が有力。日中韓会談については、5月開催を中韓両国に打診している。複数の日本政府筋が明らかにした。

 安倍晋三首相は李氏の日本訪問を、習近平国家主席の国賓としての来日実現に向けた重要なステップとみて、受け入れ準備を本格化させる。

 中国要人の公式訪問は、2010年5月の温家宝首相(当時)が最後。中国が12年9月、野田政権による沖縄県・尖閣諸島の国有化を理由に対日姿勢を硬化させた後は途絶えている。

 滞在期間に関し、日本政府は2泊3日程度を想定している。安倍首相は李氏との正式会談を設定し、夕食会を主催する方向。
外交筋によると、政府は2日までに、滞在中の李氏に日本への理解を深めてもらうため、地方を訪問してほしいとの考えを中国側に伝えた。
2月下旬に北京を訪れて中国の楊潔〓国務委員(副首相級)と会談した谷内正太郎国家安全保障局長も、こうした認識を強調した可能性がある。

 日中関係筋によると、中国の程永華駐日大使は2月下旬、自民党幹部に「公式訪問が実現すれば、両国関係にとって大きな意味を持つ」と述べ、期待感を示した。

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