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 雑誌の企画でポルシェを試乗していた自動車評論家がガードレールに衝突して死亡した事故をめぐり、記事を企画した出版社が保険会社を相手取り、大破した車の保険金の支払いを求めた訴訟の判決が28日、名古屋地裁であった。蒲田祐一裁判官は保険会社に1185万円の支払いを命じた。

 判決によると、保険会社はあいおいニッセイ同和損害保険(東京都)。大破した「ポルシェ911 GT3」は出版社が販売店から借りたものだった。

 評論家は2016年4月、神奈川県の有料道路「ターンパイク箱根」で試乗中に事故死した。出版社は大破したポルシェの賠償金1550万円を販売店に支払ったが、保険会社は「試乗・取材後の私的な運行だった」などとして保険金の支払いを拒否した。

 蒲田裁判官は、試乗後に別のポルシェの試乗や撮影も予定されていたとして、事故は「出版社の業務の遂行過程に発生した」と認定した。ポルシェの新車価格と走行距離から時価を算定し、支払いを命じた。

保険会社は「判決内容の確認がこれからなので、回答は差し控えたい」としている。