今大会のレデツカは、アルペンスキーの女子スーパー大回転で金メダルを獲得し、五輪史上最大級の衝撃を与えると、24日にはスノーボード女子のパラレル大回転でも優勝。
それでもレデツカ本人は、後進に自分を手本にしてほしいかという問いに、「ダメ、やめた方がいい、本当に! 私はあまり参考にならない。クレイジーすぎるから!」と答えている。
「自分がやっていることを楽しんで、そして決断してやってみる勇気がありさえすれば、誰にでも可能性はある。でも、誰もが二つのスポーツをやりたがるわけじゃない」
「私の場合はたまたま見守ってくれる人がたくさんいて、家族も支えてくれる。二つのスポーツをやるのはすごくお金がかかるし、自分のチームにお給料を出せるようになるのにも時間が必要だった。
だから、今の状況にはすごく感謝している」

スノーボードを本職とし、世界選手権も2回制している女王は、アルペンスキーにもエネルギッシュに取り組み、アンナ・ファイト(Anna Veith、オーストリア)との争いを100分の1秒差で制して優勝した。
そのことで、レデツカは今やスキーの滑り方にも革命を起こしたという見方が出ているが、本人はそのことを否定している。
「正直、そういう風に思ったことはまったくない。リンゼイは小さいころから、ミカエラの方も彼女がW杯に出始めたときからずっと見ているし、どちらもすごく刺激になる存在。
二人のライドが大好きだし、二人のようにうまくなりたいと思っている」
それでも、レデツカのスキーのコーチには「ライド」という言い方が気に入らないらしく「私たちはライドなんて言わない。普通そこはスキーだろう!」とたしなめている。

スキーとスノーボードの世界には、別れた恋人にも似た対抗意識のようなものが根強く、スキーヤーは昔から、スノーボーダーを雪山にずかずかと乗り込んできた新参者とみなしている。
レデツカは、かたわらのスノーボードとスキーのコーチを交互に指差し「こっちのスノーボーダーといるときは『クソスキーヤー!』って言って、反対のコーチといるときは『クソボーダー!』って言うようにしてる」と話している。
両スポーツのはっきりとした溝を埋める架け橋になるつもりはないようだ。

http://www.afpbb.com/articles/-/3164033