中国人訪日客 春節、体験型・地方へ ガイド不足、受け入れ態勢カギ

 中国の旧正月に当たる春節(今年は2月16日)の大型連休を利用し、多くの中国人観光客が日本を訪れている。3年ほど前までは「大都市」での「爆買い」が定番だったが、
行き先は地方へ、目的は「体験」へとシフト。受け入れる側も観光戦略の転換が迫られている。【一宮俊介、竹地広憲、大久保渉】

 「青森ねぶた祭」の大型ねぶたなどを展示するJR青森駅前の観光施設「ねぶたの家ワ・ラッセ」(青森市)が、中国人観光客でわいている。
19日には午前中から数十人の団体客がバスで訪れ、ねぶたばやしを体験。見よう見まねで太鼓や手振りがねを鳴らし、楽しそうにスマートフォンで記念撮影していた。
 「東京や大阪は中国の沿岸部の都市に似ている。違う環境を求めて地方に行くんです」。9歳の息子と訪れた天津市、会社員、陳学潔さん(40)の来日回数は10回を超える。
今回は昨年就航した天津−青森の定期便を利用し、青森と北海道を8日間で巡るツアーに申し込んだ。雪景色で知られる十和田湖近くの景勝地「奥入瀬渓流」も回る。陳さんは「息子に雪を見せてやりたかった」と話す。

 旅行大手JTBによると、春節時期の訪日客向けツアーの予約件数は前年比7%増と好調だ。一番人気は北海道で、流氷が浮かぶオホーツク海を砕氷船で進むツアーに前年の倍以上の申し込みがあった。世界文化遺産、白川郷(岐阜県白川村)の夜景見物も人気だ。

続く
https://mainichi.jp/articles/20180221/ddm/003/020/040000c