マニラ(CNN) 中東のクウェートでフィリピン人の女性労働者らが死亡する事件が相次いでいることを受け、
フィリピン政府は同国への出稼ぎ労働者1万人に対し、無償での帰国便の提供を始めた。
フィリピンのドゥテルテ大統領はこれに先立ち、クウェートへの労働者派遣を禁止すると発表していた。
同氏は13日、「皆さんが帰国して快適に暮らせるよう、魂を悪魔に売ってでも財源を調達する」と表明した。
無償帰国の対象は、ビザの期限切れ後もクウェートに滞在しているフィリピン人1万人。13日までに510人がチャーター便で帰国した。
ベリョ労働雇用相が12日の記者会見で語ったところによると、クウェートのフィリピン大使館には1月末以降、
数千人のフィリピン人が帰国手続きに訪れ、これまで2200人余りに渡航文書が発給された。
クウェートは近年、フィリピンからの出稼ぎ先として人気が高まっていた。クウェート外務省によると、
同国内には先月の時点で27万6000人のフィリピン人労働者が滞在していた。
一方で出稼ぎ労働者に対する虐待などの問題が指摘され、ドゥテルテ氏も「労働者の尊厳と基本的な人権を尊重してほしい」と呼び掛けていた。
クウェートでは最近、数人のフィリピン人女性が相次いで死亡した。
このうち、2016年から連絡が取れなくなっていた29歳の女性は14日、レバノン人雇用主の自宅にあった冷凍庫から遺体で発見された。
当局によると女性は首を絞められ、死後1年も庫内に放置されていた可能性があるという。

https://www.cnn.co.jp/world/35114678.html