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空間識失調
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E9%96%93%E8%AD%98%E5%A4%B1%E8%AA%BF
主に航空機のパイロットなどが飛行中、一時的に平衝感覚を失う状態のことをいう。健康体であるかどうかにかかわりなく発生する。
機体の姿勢(傾き)や進行方向(昇降)の状態を把握できなくなる、つまり自身に対して地面が上なのか下なのか、
機体が上昇しているのか下降しているのかわからなくなる、非常に危険な状態。しばしば航空事故の原因にもなる。
濃い霧の中や夜間の飛行など、地平線(水平線)が見えない状況で飛行する場合に陥りやすく、また視界が広くとも雲の形や風などの気象条件、
地上物の状態などの視覚的な原因、機体の姿勢やG(重力加速度)の変化などの感覚的な原因によって陥ることがある。
身近な例では、大型の旅客機に搭乗した際、よほど窓の外を注視していなければ、空港の周囲を旋回しているのか、
真っ直ぐに上昇しているのかが判別できなくなることも、常に重力が真下にかかるためにおこる、ひとつの空間識失調といえる。
真っ暗な海の上を飛ぶ場合などには、パイロットも無視界に近い状態のため、同じ感覚を覚えることになる。
視覚と体感の差によって引き起こされると思われがちであるが、それに限らない。 極端な例として、背面飛行をした状態で、
1Gで緩上昇の操作を行うとする。 つまり、背面飛行をしたまま、1Gで緩やかに地面に向かって降下すれば、機内では、
床に向かってGがかかるため、体感上は通常の緩上昇と全く変わりない感覚でしかない。
ジェット戦闘機では旅客機をはるかに越える運動能力のために、真昼でも海と空の区別がつかなくなることもある。
ベテランのパイロットといえども程度の差こそあれ必ず陥る症状でもある。
空間識失調に陥った場合は、自身の感覚よりも航空計器の表示を信じて操縦することが最善とされる。ゆえに計器の誤差や故障は死活問題となる。