薄毛・脱毛(2) 男性ホルモン深く関与
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180131-OYTET50037/

髪の毛は何本あると思いますか? だいたい10万本から15万本です。
髪の毛を作る頭皮の「毛包」という小さな器官から生えています。
髪の毛は、ほうっておいても1日に50〜100本は抜けます。
頭皮の毛包のうち1割は、およそ3か月間の「休止期」に入っていて、
そこから抜けていきます。でも残る9割の「成長期」の毛包が
ちゃんと働いていれば、薄毛にはなりません。

頭皮が見えるほど髪が抜ける男性型脱毛症(AGA)は、
休止期の毛包が増えるのが原因です。
「テストステロン」という男性ホルモンが深く関わっています。

毛包の奥深くには、毛の成長の司令塔となる「毛乳頭細胞」があります。
テストステロンは、前頭部と頭頂部の毛乳頭細胞に届くと、
ある酵素の働きでジヒドロテストステロン(DHT)に変わります。
すると、細胞に作用して毛の発育を止めるシグナルを出してしまいます。
DHTは女性にもわずかにあり、頭頂部の毛乳頭細胞に作用します。

ちなみに、AGAの人でも後頭部は薄くなりません。
後頭部の毛乳頭細胞は、DHTに反応しないのです。頭髪は薄いのに、
ひげや胸毛など体毛が濃い人もいますね。DHTは、
胸やひげの毛乳頭細胞には、逆に毛が成長するように作用するからです。
なかなか思い通りにはいきません。