「ファントムII」は死なず 退役間近、空自F-4EJ改がF-15Jをバンバン堕としているワケ
2018.02.12

F-4は1971(昭和46)年に導入された、2018年2月現在の航空自衛隊において
最も古い戦闘機であり、ステルス戦闘機F-35Aへの更新が予定されている退役間近の機体です。
それにもかかわらず、200機が配備されている現主力戦闘機F-15との訓練においては
勝利することもけっして珍しくないそうです。
(中略)
なぜ、いまF-15を撃墜するといった「下剋上」を成せるF-4のパイロットが増えているのでしょうか。
その秘密はF-4が退役間近であるという事情に関係しているようです。
(中略)
本来は組織の構成員が年にひとつずつ平均年齢を加算してゆく状況は避けなくてはなりませんが、
F-4の飛行隊ではベテランらが新人を育成する負担から解放され戦術研究に集中できるため、
全体の練度を底上げしているそうです。

また私見ですが、F-4は複座戦闘機であり通常はベテランと新人がペアを組み経験を積ませるところ、
現在は前後席ともにベテランであるという点もF-4の戦闘能力向上のひとつとなっているのではないでしょうか。

さらに、このF-4によるF-15撃墜にはもうひとつのカラクリがあります。

2018年現在、実戦部隊に配備されているF-4はすべて「F-4EJ改」という性能向上型であり、
レーダーは初期型F-16のレーダーと同型であるAN/APG-66Jに載せ替えられています。
そのほかの電子機器も一新、機体外部に搭載する電波妨害装置はこれもまたF-16にも搭載されることがあるAN/ALQ-131です。

一方でF-15は、近代改修を受け現代型戦闘機と同等のF-15MJと、1980年代の導入から
ほとんど性能向上を受けていないF-15SJの2タイプに分けられます。
そしてF-4に負けることが珍しくないF-15とはF-15SJであるようです。

現代戦闘機は、電子機器とコンピューターソフトウェアに優れていたほうが勝利者となります。
F-4EJ改はF-4といえども中身はほぼ初期型のF-16です。そしてF-15SJも初期型のままですから、
F-16(相当) vs F-15であると考えると、F-4側が戦術の差で勝利できることがあっても
おかしいことではないのかもしれません。

https://trafficnews.jp/post/79658/