アメリカで合法化が進む大麻は「マリファナ」とも呼ばれますが、マリファナという呼び名は人種差別と関係しており、使用を避けるべきだという主張が存在します。

そもそも、マリファナという呼び名はメキシコからやってきました。その起源は明確ではありませんが、
Martin Booth氏の「Cannabis: A History」によると、アステカの言語で「brothel(魔窟・売春宿)」を示す
「Maria y Juana」から来ているという一説があるとのこと。マリファナは19世紀後半から20世紀初頭にかけてアメリカ南部に入ってきて
、労働者や軍人たちの手によって喫煙の習慣を広めていきました。ブラジルからの船はジャズの発祥地であるニューオリンズに到着するため、
黒人のジャズミュージシャンたちはいち早くマリファナの習慣を受け入れていったようです。

近年、アメリカでは大麻を合法化する州が増加しており、大麻産業は数百万ドル(数億円)規模に成長しています。
しかし、企業が大麻の育成に大金をつぎ込んでも、個人か所持できるのは取るに足らない一定量のみだという点が依然として大きな壁として存在します。
大麻が合法化されることで大麻関連の犯罪が減るのかと思いきや、コロラドで大麻が合法化してから、少年少女が規定量以上に大麻を所持していたとして逮捕される件数が増加したとのこと。
そして、現代においても大麻関連の逮捕は、マイノリティと大きく関わっています。

しかし、合法とされる医療用の大麻産業が「カンナビス」とう名を使い、
一方でマイノリティが「マリファナ」で逮捕されていることから、「マリファナ」という呼び名をやめることで状況を変えようというのが、
この主張の考え方。「ばかばかしい」と論じられることもありますが、ピンク・トライアングルやNワードなど人種差別に関連して用いられたものは、い
ずれも現在はコミュニティを抑圧した象徴として見なされています。大麻にまつわるマイノリティの状況を変えるためには、「マリファナ」という言葉を使わないようにするか
、あるいは人種差別の過去を表す重要なものとして考えていかなければならないという主張なわけです。https://gigazine.net/news/20180212-marijuana-racist-roots/