>>1のつづき
そこで、私たちは「主婦ですし、時間があるのだったら、少し仕事をすることを考えてみてはどうですか」と提案しました。そこで驚いたのは、B子さん自身には当初、働くという選択肢がまったくなかったことです。

それまで、「セレブ妻」として、羨望を受けて生活をしてきたこともあり、「万が一誰かに働いているところなんて見つかったら、自分の人生はもう終わりだ!」くらいに考えていたのです。大げさのように聞こえると思いますが、本当のことです。

それでも、私たちは、B子さんが働きだせば家計はだいぶ改善することを、「キャッシュフロー表」を作成して「見える化」し、あの手この手で説得したところ、「かわいい娘のためには、やるしかない」と考えたのでしょう。とうとうB子さんは、実母に娘さんを預けて働くことを決意しました。

家から遠く離れたコンビニで「変装パート妻」をスタート

とはいえ、B子さんは今までのイメージをどうしても壊したくありません。そこで、家からかなり遠く離れたコンビニで、パートをスタートすることにしました。

絶対知り合いに知られたくないので、地味なメークに伊達メガネまでかけて「変装」。決して自分とはわからないように細心の注意を払いながら、働いているそうです。それでも知り合いに似た人がお店にやってくると、何か悪いことをしているわけでもないのに、「バレるのではないか」と、もう生きた心地がしないそうです。

B子さんは、もう1つ、別のところでも落ち込んでいました。今まで、しっかりと外で働いたことがなかったので、いざ、仕事を探そうと思っても、単純な仕事しかできない自分に愕然としたそうです。コンビニだって、単純にレジ打ちだけをやっていればいいというわけではありません。パートとしてバリバリ業務をこなし、輝いている人はたくさんいるのです。