神戸市は、他の大都市に比べて「クリエーター」が少ないため、デザイン、広告、情報サービスなどの需要を市内で賄えず、年間で3千億円超が市外に流出していたとの試算を明
らかにした。市は、こうした分野を市内の経済循環に欠かせない「都市型創造産業」と位置付け、人材の呼び込みや事業創出の取り組みを本格化させる。
 総務省の2014年経済センサスによると、印刷、広告、インターネット付随サービスなど、主な都市型創造産業とされる8業種の関連従業員は東京23区が91万9360人
と突出している。神戸市は1万8986人で、大阪市の16万7781人、人口規模が同程度の福岡市の5万8083人にも大きく後れをとった。また、8業種の集積度合いはい
ずれも全国平均を下回っていた。
こうした業種は、新たなビジネスを生む斬新な発想やユニークなアイデアをもたらす。神戸市の担当者は「神戸はものづくりや食の分野は強いが、都市型創造産業が弱い」と危機
感を示し「クリエーティブな人材が集まり、活躍できる仕組みが必要」と話す。
灘高出身で著名作家らのエージェントを手掛ける「コルク」(東京)の佐渡島庸平社長は「神戸の魅力が曖昧。外国とつながっていたという古いイメージのまま良しとしていない
か」と指摘し、魅力の洗い出しと明確化を助言。神戸で不動産紹介サイトを手掛ける「Lusie」の小泉寛明代表は「人が人を集める」と優秀な人材やコミュニティーの必要性
を説いた。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201802/0010972394.shtml