福井県内で6日から起きていた国道8号の車両の立ち往生は2日以上に及んだ。立ち往生した車両の中には山崎製パンの配送トラック18台も含まれており、本来の納入先には届けられないと判断し、積んでいたパンを困っている人々に配っていた。

 同社広報(東京)によると、福井県災害対策本部を通じ、7日夜までにトラックの荷台や福井営業所に残っていたパン約8万2千個を自治体の避難所などへ提供した。パンが残ったトラックは、前後で立ち往生している車両にも無償で配ったという。

 同県あわら市で立ち往生していたトラックの男性運転手(51)=新潟市=は7日午後、周囲の運転手たちがパンの袋を持って歩いているのを目にした。「この先でパンを配っている」と聞き、約100メートル先まで歩くと、立ち往生した山崎製パンの配送車が荷台を開放していたという。

 運転手に「好きなだけ持っていって」と言われ、7袋の総菜パンや菓子パンを受け取ったという。「あのパンがなければ、食料が底を突いていた。本当に助かった」
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