あの「進研ゼミマンガ」はどうやって作られているのか? 「女子向けは精神年齢高めに」「語り継がれる伝説の名作がある」など秘密を聞いた

小中高生向けの通信教育の定番、進研ゼミ。国内・海外を合わせた会員数は約381万人に上ります(「こどもちゃれんじ」も含む)。

その進研ゼミの販促DM(ダイレクトメール)には、いつもマンガが付いていました。ぱっとしない生徒が進研ゼミに
出会い、勉強も恋も部活もうまくいく……そんなお決まりにも見えた展開にちょっと笑いながらも、彼らが提唱する
「明るい未来像」に心躍らせたものです。

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ただ、そのマンガがどのように作られているのかは、これまでメディアではほぼ語られていません。そこで今回、
その秘密を探るために、多摩センターにあるベネッセコーポレーション(以下ベネッセ)の東京本部に取材に行ってきました。

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http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1801/27/news002.html

■マンガ原作者は「ディーエマー」「DM職人」と呼ばれる

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――ストーリーは社内で作られているとすると、作画は?

DMのマンガ制作に長けた個人でプロとして活躍する方たちに依頼しています。学年や内容に合わせて依頼わけしていて、
「小ゼミ」は子ども向けのかわいらしい絵柄。「中・高ゼミ」は、ちょっと大人っぽいマンガという風に。

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小中高向けを並べると、それぞれに合わせた作風の違いが分かる

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■男女で「精神年齢2〜3歳差」を意識して作る

――学年ごと、男女ごとに作っているというのは本当ですか?

これは本当ですね。学年ごとに作っています。さらに男女別に、発達段階などが異なったりしますので、それを
考慮して作っています。

――それは女子のほうが大人っぽく?

そう、女子の方が大人びたものにしています。男子は勢い重視で元気に。女子はちょっと複雑なものに。嫉妬心とか、
恋心などの要素も入れて。

私自身は、入社して「女子マンガのストーリーが書けない」ことが最初の壁でした。そこで一般の少女マンガを研究しました。
それから「こういうところで女の子の心は動くんだろうな」というのを推察できるようになって。

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人間関係に悩む女子向けと、能天気な男子向けの差などが描き分けられている

――男子と女子のマンガで、精神年齢は何歳ぐらい違いますか?

小学5年生から中学1年生あたりの差が激しいとよく言われるんですけど、個人的な感覚的としては2〜3歳ぐらい
違いますよ。会えば分かるのですが、男子は年相応に幼くて。女子は大人びている子が多いですね。

――では中1とか中2の男子向けが、大体小5の女子と同じぐらいとか?

それで同じぐらいですね。女子だと5・6年生向けでもう「好きな子に告白したい」というのが出てきます。男子だと、
それは中2・3ぐらいまではないですね。

つづく