中国 憲法改正提言の人権派弁護士を拘束

中国で19日まで開かれた共産党の重要会議に合わせ、憲法の改正に関する独自の提言をインターネット上で
発表した人権派弁護士が当局に拘束されたことがわかり、習近平指導部は言論統制を強める姿勢を鮮明に
しています。

拘束されたのは中国・北京で活動する人権派弁護士の余文生氏です。

家族などによりますと、余氏は19日朝、自宅近くで連行され、20日朝になって警察から「公務を妨害した疑いで
拘束した」と通知があったということです。

中国では19日まで共産党の重要会議が開かれ、憲法を改正して習近平国家主席の指導思想を盛り込む
方針が決まりました。

余氏はこの会議に合わせて18日、憲法の改正に関する独自の提言をインターネット上で発表し、国のトップで
ある国家主席を複数の候補者による選挙で選ぶべきだなどと提案していました。

妻の許艶さんは19日夜、NHKの取材に対して「市民が声を上げただけで拘束するなんて、憲法に定められた
言論の自由はどこにあるのか」などと話していました。

中国の憲法には言論の自由が規定されていますが習近平指導部は言論統制を強めていて、批判的な言論を
厳しく取り締まる姿勢を鮮明にしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180120/k10011295581000.html


★憲法改正の記事

中国 憲法への“習思想”明記を審議へ 権威付け進行か

中国共産党は、2004年以来となる憲法の改正に向けて、来週、共産党の重要会議を開催することを決定し、
習近平国家主席の指導思想を、党の最高規則にあたる党規約に続いて、新たに憲法に盛り込むことなどを
審議するとみられます。

憲法改正に当たっては、歴代の最高指導者や習近平国家主席の指導思想を堅持しなければならないなどと
していて、習主席の個人名を冠した指導思想を、去年10月の共産党大会で党の最高規則にあたる党規約に
盛り込んだのに続いて、憲法にも明記することなどを審議するとみられます。

習主席の指導思想が明記されれば、建国の父・毛沢東や改革開放政策を打ち出したトウ小平と並んで、
憲法にも習主席の個人名が書き込まれることになり、権威付けが一層進むことになりそうです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180112/k10011287201000.html